介護支援専門員(ケアマネージャー)資格試験に合格

在宅で看取る 人との出会い、そして別れ

高齢者の介護。
いつか終わりがきます。

あの日は。

いつもこの時間にはヘルパー派遣ないのになぁ・・と
思いながら伺いました。

訪問看護の関係もあり、今日はこの時間であってるよ、
でも、夜もお願いしてたわね〜なんて話しながら
いつものように・・・・と思ったら。


様子がへん。ほおをぽんぽんとたたく。
反応がない。

”娘さん!!!”

えっ・・・まさか。

サチレーション(指先にはめて、体内の酸素量をはかる)
の数字が異常に低い。

思わず、叫ぶ。

おかしいです!酸素が・・息してますか!!!

二人で口を開く。
舌が落ちてしまって窒息してしまうといけないので
横向き、娘さんが痰の吸引をする・・・・・

なんとか酸素量が80%後半までもち直す。

よかった・・・

換気量が少ない様子が続いていたそうだ。
舌根沈下は今日が初めてではないと。
人工呼吸器は手配してあるから夕方には届くらしい。


なぜ、この日、ヘルパーとして私がいくことになったのかは
わからない。
たまたま、いつもの時間とは違うケアで
私が空いていたからお伺いしたのだが、
実はこれが最後のケアとなった。


”夜また、きますね。1件まわってまたきますから〜”

でも、不安でいっぱいだった。

夜、19時に同じことが起きたら怖い。
無事でいてほしい。なにか胸騒ぎがする。
そういう勘だけはあたってほしくない・・・


次のお宅へ行き、
再び戻る。

頭の中がぼーっとする。
昼間の光景が目にうかぶ。
18時45分、到着。
早いけど、入ろうか。

と、そのとき、ものすごい勢いで1台の車が。

訪問看護ステーション!


あわてて私も中に入る。
妙に静かだ。

一体、何が起きたの?


”この機械も必要ないわね。”とコンセントをぬき、
部屋の隅へ。

”10分前くらいかなあ・・息をひきとったのよ”

宝くじさえ当たったことない私が
なんでこういう時だけあたるのよ・・呆然としてしまった。

声がでなかった。

”父をみてほしいかなぁ。こっちをみさせないようにして、
父の気をひいていてほしい・・”

となりのベッドで何が起こっているのか不安そうにしている
ご主人・・

私はニコニコ笑って話しかけるしかなかった。


もちろん、介護保険では算定できないので、
記録も書かず。
なんとなく、一段落したところで

”明日のヘルパーさんはお休みでって事務所の方に
伝えてくれるかな。忘れちゃいそうで・・”

足取り重く、事務所に帰る。

話せない。
涙が頬をつたって、どうにもならない。

ぼんやり座っていると
センター長が

”どうした?具合でも悪い?”と聞いてくれた。

”Fさんの・・・・ケア・・・明日からないよ”(涙)

あれから何年たつだろうか。
3年くらいになるかな。

じつはFさんの娘さんと再会した。
話題のC社のヘルパーになっていた。

あの時はお世話になったわね〜

としみじみと言われる。
お二人を在宅で看取り、その後、ヘルパー資格を取り、
ヘルパー派遣していたC社のヘルパーとなったのだ。

C社はなくなったとしても
介護はなくならないし。
マイペースでがんばっていくつもりよ〜と笑顔で話されていた。

みんな、よくがんばったと思います。
私も貴重な時間を一緒に過ごすことができた。

これも介護保険のおかげ。
介護保険は人との出会い、そして別れ、看取りの場でも
あるのです。



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在宅におけるターミナルケアその2

続きです。

認知症。

記憶障害と認知障害。
介護保険の利用者も認知症高齢者はふえています。

奥様はFさんと言います。
娘さんのことを
”おかあさん〜”といつも呼んでいました。

じつはこのお宅は福祉用具が充実しているのと
最後の最後まで人間らしい生活をしてほしいという
思いが娘さんにあり・・

食事は経口摂取が基本でした。
嚥下が心配されましたが

”ぎりぎりまで口から食事することは忘れてほしくない”
と、エンシュアリキッド(飲み物、高カロリーです)と
おかず、おかゆなどを食べていました。

トイレはポータブルを朝、使いました(大便を座位でさせたい)

歩行困難なので
ベッド〜ポータブルはリフトでした。
教科書にのっていたあのリフトです!

便利なのですが、リフトなので一度、ハンモックのような
感じで布ごと、ひきあげられます。

そうすると、

”あれ〜おかあさ〜ん、助けて〜”と言うので
娘さんが

”ここにいるわよ〜”と声をかけます。

それ以上は騒いだりはしないので(笑)
なんだか二人で楽しんでいるようで微笑ましかったです。

介護度5でしたが限度額は超えていたそうです。

でも、

本当にヘルパーさん、看護士さん、先生みなさんに
助けられているのよ〜

と娘さんはよく話されていましたね。



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在宅におけるターミナルケア その1

介護保険は必要なところにきちんと使われてほしい。
そういった意味でもケアマネジメントは大切なお仕事となりますね。

私が関わった利用者

最初は奥様の介護で入っていて次にご主人が退院され、
お二人の介護となりました。

奥様は末期がんと認知症
ご主人は気管切開されていました。
右半身麻痺で、中心静脈栄養療法をおこなっていましたので、
針がはずれるということはないだろうけど、
おむつ交換、体位変換は神経を使いました。


お二人の主介護者(キーパーソン)は娘さんです。
24時間介護で看護、医療との連携も当然、必要な方たちでした。

このお二人はご自宅で亡くなられたのです。

娘さんの思い

父は気管切開しているので
痰の吸引が必要。
病院は定時にしか吸引してくれないから。
ここなら、いつでも私ができますからね・・

母はがんの手術をしましたが、転移しています。
でも、最後の最後までやれることをやってあげたいのです。

そして、二人は在宅でみたい。
最後は在宅で・・という強い思いがありました。

でも、24時間介護とはそんなに簡単なものではありません。
いつ終わるかわからない介護のトンネル。
先は真っ暗。

寝不足、疲れ、ストレスが介護者を襲います。
一人では介護は無理です。

多い時には私もこのお宅には1日3回行かせていただきました。
朝8時〜と夕方15時、夜19時〜

ある夜伺った時に娘さんは
”痰の吸引は呼んでね、起こしてね”と言い、
横になってすっかり眠ってしまいました。
介護で疲れている様子・・
介護保険では色々決まりがあるのですが・・
一人でおむつ交換、着替え、物品準備などして、
吸引びんを洗ったりとしているうちに
台所のお皿やらお茶碗の山をみつけました・・・
介護保険では本人のことのみ。
家族の分の洗濯、掃除、片付けはできないんですよ。

でもね、一通り終わった。
苦しがっている様子もないし、痰もごろごろいってない。
様子をみつつ、その食器類をさっと洗ってしまいました。

私の思い・・・・・・

介護保険でヘルパーが派遣されている時くらい、
休んでほしい。休むことでまた、元気を取り戻せるから。

ヘルパーの仕事として考えた時に娘さんの後片付けは
確かに過剰サービスになるかもしれません・・
でも、人として。
このお茶碗を洗う時間分、ベッドで寝ている利用者を
みることができる。
優しさを感じた時にもっと、人に優しくなれるような気がしませんか?

介護している人のケアも大切なのです。
お茶碗を洗うというのはただ、洗って片付けるのではなく、

あなたのことも私は気にかけていますよ〜

というメッセージのかわりでした。

娘さんが起きてきて、

”あ・・ごめんなさい、すっかり寝てしまって。
それに・・片付けものまでさせちゃって、ごめんね・・”

と言われてしまいました。

”あぁ・・お二人の様子は変わらないです、お疲れのご様子ですね・・でも食事はされているようで、よかったです。
時間、余っちゃって・・”

など話をしました。

そんな夜が続きました。

落ち着いている時は
テレビの話をしたり、
ご両親の昔の話をして下さいました。


その中で

”介護を始めた頃は何か焦りがあって・・このままで
私の人生、終わっちゃうのかなって思ったんだけど。
今は焦ってないんだ。二人のそばにいるのが私の仕事っていう
割り切りができたからかな・・”と話されていました。

そして月日は流れます・・


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